真皮縫合
形成外科医のわざ

研修医向けの真皮縫合のこつをまとめてみました
真皮縫合のこつ
皮膚は表皮と真皮、皮下組織に分けられますが、このうち真皮を裏側から縫合する方法です。糸は細いナイロンもしくは生分解性ポリマーに細い針がついた糸を使います。
形成外科では、研修医から訓練される基本わざですが、上手になると、皮膚の外側から縫合する必要はなくなります。傷縁がぴったり合うからです。合わせるためにはこつがいろいろあって、慣れないと難しい手技です。ぴったり合えば、皮膚縫合は不要です。ステリテープなどでカバーしておけば、抜糸する必要がなくなりますので、抜糸の痛みはなく、通院回数が減り、驚かれると同時に喜ばれます。
切り傷、すり傷は形成外科へ!!
ただし、真皮縫合を行わない例外部位は、皮膚が非常に薄い上眼瞼と下眼瞼、手、足のような角質層が厚い部分、よく動く肩、肘、お尻、膝などです。
おでこのけが
真皮縫合
ステリテープで固定
治癒
マイクロサージャリー
ミクロの世界の手術です

ゆーかり院長は今でも顕微鏡下で切断した指の血管や神経をつないで、蘇らせることができますが、救急の一線を退きました。先日、めがね屋さんで新しい眼鏡を新調したときに、解像度の高い目ですね、と店長さんに言われて、手術用顕微鏡がよかっただけではないことを初めて悟りました。
それはさておき、直径1mm以下の血管、とくに薄っぺらい微小静脈を吻合するときは至難のわざです。動脈はこしがあるので、吻合しやすいのですが、静脈は前と後の壁がぺたっとくっつきやすいので、内腔を確保するのが難しくなります。10-0や11-0という100ミクロン以下の細いナイロン糸で一針一針つなぎます。
さらに難しいのがリンパ管の吻合です。将来的にはリンパ管静脈吻合を日帰り手術ができるかどうか、検討したいと思ってます。
超音波エコー
超音波診断装置

エコーは皮膚形成外科でも有効です。超音波によって非侵襲的に皮下の状態を知ることができる優れた方法です。以下のような用途があります。
1.皮下腫瘍の診断
しこりが袋状のものか、中身が液体か、詰まっているのかがわかります。境目がはっきりしているか、不鮮明かで、良性か、悪性かの補助診断もできます。しこりの内部の広がりや、深部の筋肉との関係もわかります。超音波診断で有効なしこりは、石灰化上皮腫、静脈石、脂肪腫、皮膚線維腫、神経線維腫、巨細胞腫、皮膚線維肉腫、リンパ節腫大などです。
2.下肢静脈瘤の診断
ももの付け根(そけい部よりやや下方)で大伏在静脈の直径を計測したり、逆流があるかどうかを調べます。膝の裏で膝か静脈に血栓があるかどうか、小伏在静脈に逆流があるかどうか、を調べます。
3.末節骨の診断
新しい応用法ですが、末節骨であれば、爪を透過して爪下の末節骨の骨折や骨腫瘍の有無を検査することができます。
ダーモスコープ
大きく見えると、皮膚の世界も変わります

色素性皮膚病変を拡大して観察できます。主にほくろとメラノーマ(悪性黒色腫)の鑑別診断に有用です。偏光フィルターを使って反射を抑えると、メラニン色素が皮丘や皮溝に分布している状況を知ることができます。メラノーマの色素は丘に分布し、ほくろは溝に分布します。ほかの用途としては、脱毛やフラクショナルなどの照射状況の確認にも応用できます。
機種はいろいろありますが、当院ではアメリカの3GEN社のダームライトIIプロを使っています。明るい白色LEDと偏光システムが組み合わさり、ワンタッチで切り替えることができ、便利です。普通のデジカメのマクロモードで拡大像を撮影できます。

